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「かかりつけ薬局」としての使命を大切に、静岡県西部で調剤薬局を16店舗展開

2026/08/21

 

静岡県袋井市に本社を置き、「まごころ薬局」のブランド名で調剤薬局チェーンを展開。県内西部を中心に、現在16店舗を運営している。

経営の最大の特徴は、「医療モール」という言葉がまだ認知されていなかった時代から、病院・クリニックと調剤薬局の複合施設をロードサイドで展開してきたことだ。地主や病院と自ら交渉し、(サブリースなどではなく)借地契約を主体に調整することで双方の負担を減らし、中長期的に良好な関係を築いてきた。

また地元自治体や大学病院と連携して、店舗敷地を活用した「エキマチフェスタ」や、健康をテーマにした講演会を開催したり、米田社長自ら積極的に店舗を回って「かかりつけ薬局」としての使命の共有に注力するなかで、長年にわたって地域に密着した調剤薬局としての評価を高めてきた。

※「週刊ダイヤモンド」2026年8月29日・9月5日合併号掲載、会員企業クローズアップより転載

 

取材こぼれ話(創業の原点、事業の特徴・強み、ミッションなど)

株式会社ロングライフ 代表取締役社長 米田 博文 氏

 

創業の原点:MRからの転身と「1対1」モデルへの危機感

・「ゆかりのない土地」でのゼロからのスタート:1991年、大手製薬メーカーのMRだった米田博文社長が、縁もゆかりもない静岡県磐田市で調剤薬局を創業。当時は医薬分業率が10数%の黎明期であり、周囲からは「とても上手くいくわけがない」と反対された中での船出だった。

・門前薬局スタイルを回避:特定の病院や医者に依存するリスクを避けるために、調剤薬局チェーンの主力だった門前薬局の形態を敢えてやめて、ロードサイド型で出店を重ねた。

 

「医療モール」を自社開発する独自のビジネスモデル

・日本における「複合型」の先駆け:1993年頃、1号店の隣地に自ら皮膚科を誘致したことが、現在の医療モールの原点となった。その後、米国視察で出会った「医師を集めて展開する台湾系経営者のモデル」に感銘を受け、郊外型モールの戦略を確固たるものにした。

・市街化調整区域を活用した開発:通常の店舗が建てられない「市街化調整区域」でも、医療機関であれば開発可能である点に着目。地主にとって収益を生まない農地が価値を生み、医師にとっては低コストで開業できる、三方良しのスキームを自らデベロッパーとして構築した。

・徹底した「自己資金経営」:祖母の「借金はするな」という遺言を守り、銀行借入に頼らない経営を貫いている。身の丈に合った投資を継続することで、業界の荒波の中でも安定した経営基盤を維持している。

 

地域包括ケアの核となる「かかりつけ」の使命

・「薬の交通整理」というプロの仕事:薬剤師を「指示通りに棚から薬を渡すだけの仕事」に留めさせない。お薬手帳を活用して重複投薬を防ぎ、医師へフィードバックを行う「薬の交通整理」こそが、患者の安全を守る薬剤師の真価であると説いている。

・「マーブルチョコ」で伝える薬の教育:行政と連携した「こども薬剤師体験」では、本物の薬の代わりにマーブルチョコなどを活用。子供たちに楽しみながら「薬の役割と怖さ」を教える啓発活動は、地域住民から高い評価を得ている。

・コンパクトシティの具現化:袋井駅前の再開発では、医療モール、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、子育て支援施設を一体化させた街づくりを推進し、国(内閣府や国土交通省)からも評価されるモデルを構築した。

 

74歳の現役経営者が貫く「負けない」精神

・60歳からの空手修行:還暦を機に空手を始め、74歳の現在も週1回の稽古と若手との組み手をこなす三段の腕前である。「経営も空手も、負けないという気持ちが大事」とし、不屈の精神が現場主義の原動力となっている。

・月1回、全店舗を自ら巡回:どれほど規模が拡大しても、社長自らが月に1回(多い店舗は4〜5回)は必ず足を運び、現場のスタッフと対話を行う。メールや電話だけでは伝わらない「現場の空気」を肌で感じることを最優先している。

・「志」を共有する仲間作り:単なる規模拡大や売上の追求ではなく、地域住民に信頼される「かかりつけ」としての質を重視している。今後は、同じような志を持つ薬局とのネットワークを広げ、地域医療の質を底上げする仲間作りを目指している

 

会社概要

株式会社ロングライフ 代表取締役 米田 博文 氏

設 立:1991年
資本金:4,550万円
従業員数:93名
売 上:24億円(2026年5月期)

https://www.longlife-ph.com/

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