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【会員企業訪問】自動車向けコーティング剤トップブランド。中央自動車工業「中之島R&Dセンター」

中央自動車工業株式会社
2020/10/27

自動車業界向けケミカル製品のメーカーとして、さらにはグローバルな自動車部品商社として、国内14拠点、世界60数か国をネットワークする中央自動車工業。

 

 

国内市場向けの主力商品は、自動車向けのコーティング剤(開発商品例はこちら)で、業界のリーディングカンパニー。主に新車納品時のオプションとして自動車ディーラーを販路としている。国産車が中心であるが、近年は外車ディーラーや中古車などにも販路を広げている。

 

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同社の製品が選ばれ続けるのは、耐久性・撥水・光沢などの効果や機能が優れていることと、その性能を担保するために、5年にわたる製品保証を付けていることにある。これらの相乗により、「新車に、より高機能なコーティングを施して納車する」という、新たな自動車業界のスタンダードが生まれたのだ。

同社は、このような「オンリーワンの技術を開発し、新市場を創造する」ことにこだわり、”開発型企業”としての立ち位置を重視しているという。

そして、これらの技術力・開発力を支えているのが、2017年に開設した研究開発施設「中之島R&Dセンター」だ。最新の試験機器を導入し、商品の品質・持続性・安全性・環境への影響などをスピーディに確認するために設けた施設になる。

 

 

この施設ができるまでは、外部の検査機関の施設を利用していたが、内製化を進めたことで、顧客からのフィードバックを迅速に反映するとともに、開発スピードも一段と速まったという。

では、中央自動車工業の坂田信一郎社長のご案内で、施設の内部並びに自慢の設備を見ていこう。

 

 

当施設の目玉ともいえるのが「人工気象室」。日照、温度、湿度などをコント―ロールできるもので、四季ごとのコーティングの品質安定性や作業性が、早送りで確認できる。

 

 

こちらはコーティング剤を塗布した試験片を高速でブラッシングする装置だ。洗車を繰り返すことでの摩擦によるコーティングの耐久性を調べている。

 

 

撥水効果を計測する機械。パソコン画面上に見える「黒い半円」が、金属面に垂らした水滴の形状で、より立体感が強い(高さがある)ほうが撥水力が強いことを表す。この機械は角度調整も可能で、傾けたときに水滴の形がどう変化するか、どのタイミングで流れ出すかなどを測定しながら、コーティング剤の撥水力を比較・分析する。

 

 

摩擦係数を測定する「スリップテスター」。機器を傾けながら、試験片上のクロスを装着した重しが滑り出すタイミングを調べ、ボディ表面を人が触った時の「ツルツル感」を数値で把握するための装置だ。

 

 

一方で「ガスクロマトグラフ」など、「液体の気化時に発生する成分」の測定装置もある。コーティング剤は化学物質であり、揮発などによってどのような物質がどの程度の濃度、飛散しているのかを把握することが必要だ。単にコーティング剤としての機能だけでなく、「作業時の安全性」を考えた商品開発にこだわることもトップブランドの使命にあるという。

開発内容の秘匿の関係から写真は公開できないが、当施設内にはこれらの検査設備とともに、さまざまなコーティングの原材料や配合中の試験製品が並ぶ。

「料理の時に調味料を入れる順番を変えると味が変わるのと同じ」ように、同社の商品も配合の分量はもちろん、配合するタイミングも精緻な条件が要求される。一つの商品が世に出るまでには、平均して100種類ほどの配合試作が繰り返されるという。

現在のコロナ禍において、自動車業界は全体的に苦戦していると報じられているが、積極的な新商品開発や市場の開拓などにより、同社における受注状況は好調だ。今後も、企画・開発から製造、サービス体制まで、さらなる充実を図ることによって、着実な業績拡大を見込んでいる。

 

▲場所は、京阪「中之島」駅の近く。目の前を土佐堀川が流れる。

▲応接室はおしゃれな家具で彩られ、レストランとしても営業できそうな雰囲気だ。

 

「中之島R&Dセンター」施設概要

■所在地              大阪市北区中之島4丁目1番15号
■土地面積           370.31m2
■延床面積           605.07m2・2階建て
■設 備              1階 : 人工気象室、各種試験設備、施工ピット
2階 : 各種試験設備、 事務所、ラウンジ兼会議室
屋上: 屋外暴露試験設備

中央自動車工業株式会社 ホームページ https://www.central-auto.co.jp/

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