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築地グルメ探訪“超はしご酒”。2人で目標1日15軒!場外市場を味わい尽くす

2020/09/19

2014年にスタートした「築地はしご酒」。残念ながら2020年はコロナ禍を考慮して実施されないため、第一回からすべて参加し、延べ60店舗以上を訪問している”はしご酒常連”の二人が、独自のルートを策定。食べて飲んでの“勝手に築地はしご酒”ツアーに挑戦することにしました。訪問日は9月19日、4連休最初の土曜日、9:30スタートです。

築地到着早々に向かったのは、「Matcha Stand Maruni TOKYO TSUKIJI」。伊藤海苔店が2018年にオープンしたお茶や茶器などを販売する店舗(現在は土日祝日のみの営業)

人気商品の「抹茶ラテ」を飲んで「胃袋を目覚めさせ&落ち着かせてからスタートしたい」というN嬢の強い希望を受けての訪問です。

一口飲んで「よし!これで今日一日頑張れる笑」と、臨戦態勢モード。実はカップの裏側には「ありがとう」の手書きのメッセージがあり、それを見つけてさらにテンションアップ!

予定は若干前後したものの、「今日一日築地を堪能させていただく」ご挨拶と、「最後まで体力が続きますように」というお願いで、築地の守り神「波除神社」へお参り。

境内には、特大の獅子頭が二台鎮座しています

これらの獅子頭は、毎年6月に行われる波除神社の例大祭「つきじ獅子祭」の折、築地市場周辺を練り歩きます。

境内には他にも、玉子塚、すし塚、海老塚などがあり築地ならでは。かつて築地市場内に一号店があった縁で、吉野家の碑も置かれています。

 

【築地場外市場とことん食べ歩きグルメ&ランチ(2021年度版)】

 

その向かいにあるのが「築地魚河岸」。築地市場(場内)の豊洲移転による、築地・銀座周辺の飲食店の利便性を確保するために開設されたもので、入居する店舗は豊洲市場で仲卸を手掛ける会社(特に有力どころの仲卸が揃う)の運営になりまます。プロ向けの食材を個人向けにも開放する形になっており、本格的な魚介・生鮮類を手軽に購入できるのが魅力。

土曜日は一般客が増えることを見越して、品ぞろえや売り方が少し変わります。基本は”マル”の1匹販売やサク売りが主体の施設ですが、刺し盛りなどの調理の手間が少ないものや、家庭で楽しめるセット売りなどが増えます。

とはいえ、スーパーのようなごく少量の販売は少ないため、何を選ぼうかなと考えて考えて目に留まったのが「米彦」の店頭。ここで一点購入。

続いて隣接する「小田原橋棟」へ。「築地魚河岸」を代表する店と言えばここ、「わたなべ」へ向かいます。

こちらは貝が主体の店。殻付きの貝がこれほど多くの種類売られている店は、都内にはそんなにないのでは。貝以外にも、曜日や季節に合わせてさまざまな魚介類を揃えているのが特徴。ここで二点目を購入。

そして今回のルートでは一番奥、晴海通り側から見ると建物に入ってすぐの「東研岩良」(※現在は閉店)。鯨がブロックで売られているのにも驚かされますが、ウニの品ぞろえも都内屈指。

「今はウニの相場がかなり上がっている」ということで、いつもよりは置いてある点数が少なく、ちょっとためらう価格ではあるのですが、ここで3点目を購入します。

買った品を抱えて向かったのは、この「築地魚河岸」3階。ここには豊洲市場で(築地市場時代から)営業する飲食店の系列店舗を中心としたフードコートが設置されています。

一方で広々としたテラスもあり、こちらで買ったものを食べることができます(1階の小売りブースでの食べ歩きは禁止)

ここでは恐縮ながら飲み物だけを調達。築地時代からの超古参店「センリ軒」で、焼酎と梅酒を購入します。計1100円。

築地魚河岸で購入したものを順に紹介すると、「米彦」の本マグロの大トロの刺身900円

「わたなべ」で購入した白えびの唐揚500円。

「東研岩良」で購入した、おがわの塩水ウニ4500円となります。

そして出来上がった、「築地魚河岸朝飲みセット」がこちら!!

しっかり写真に収めてから食事。ちなみに刺身醤油とわさびも築地魚河岸内で調達。小田原橋棟の「新海商事」で買うことができます。

飲み物と合計して、計7,000円。この時点でまだ午前10時。なかなかに豪華な朝のスタートです。

もう一つの海幸橋棟の屋上もテラスになっており、今は無き築地市場の跡地を見下ろすことができます。またこの場所では土曜日限定で、「魚河岸バーベキュー広場」が開設されます。

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築地魚河岸を出て、これからはお持ち帰りで単品注文ができるお店を回っていきます。まず最初は、築地4丁目の交差点のそばにある鰻の「はいばら」から。(築地場外も歩きながら食べることは禁止されており、現地店外で食べる場合は、各店の店頭周辺に限定されます)

こちらの2号店では、店内の飲食もできますが、ここはテイクアウトのみ。いつもたくさんの鰻を焼いている様子が間近に見られます。

一番小さいサイズ2100円でもこれだけボリューミー。串が4本刺さったままというのが市場らしくて楽しい。

そして一本中に入って「鳥藤」へ。110年を超える歴史を持つ、築地場外でも大御所的な存在。すぐ近くに飲食店の「鳥藤分店」、さきほど訪れた築地魚河岸フードコート内に「鳥藤とりそばスタンド」、そして豊洲市場内にも築地から引き継いだ飲食店を経営しています。

基本は業務用の店ですが、一般客の来訪も非常に多く、店頭には多彩なお惣菜や弁当類も用意。10時半ころだともうかなり残り少ない。

そのなかからフライドチキン432円を1枚チョイス。非常に香ばしくジューシー。

そしてすぐお隣の「築地の鯨(旧登美粋)」へ。豊洲で鯨を扱う仲卸のお店です。

コロナ禍以降、店頭での販売は中断し、外商とお弁当の販売がメインになっていますが、鯨カツや鯨竜田揚げをその場でいただくこともできます。

厨房に余裕のある時であれば、お酒とともにいただくことも可能。さらにこれはレアな確率ですが、業務用に仕入れた予備があるときなら、メニューにはない鯨の刺身も食べられます。ただしこれは運次第なので念のため。

日本酒一合とミンククジラの赤身の刺身。刺身の価格は、8切れ980円が基本ラインですが、今日は量が少なめのため若干安く、日本酒とともに1200円。

ここから波除通りまで真っすぐ向かって「築地にっぽん漁港市場」へ。こちらは、全国の漁協や漁業関係者による産直メインの施設です。退店が続いて気になっていたのですが、8月から新店がオープン。それが高知の「高知タカシン水産」です。マグロとカツオがメインで、ウリにしているのは実演販売をしている鰹の藁焼き。目の前で炎が上がるさまを体感することができます。

鰹の藁焼きはブロックとして売られるとともに、3切れ400円という手ごろな価格で提供しており、店内でも食べられます。お店の方のお薦めで、塩でいただきます。

その斜め向かいにあるのが玉子焼きの「山長」。築地食べ歩きの記事では一番に取り上げられることが多いお店。こちらは創業70年強、1本100円という手ごろな価格でずっと提供しています。

甘そうで甘すぎず、とても食べやすくて3、4口でペロリ。

「山長」の角を曲がって少し先にある「幸軒」の出店。ここではシューマイを販売しています。一個170円。

メインのお店はその背中側。築地場外は探すのに苦労する店がかなりありますが、ここもその筆頭格の一つ。

ちなみに築地(豊洲市場含む)の中華料理店で、看板メニューとしてシューマイを出す店が多いのは、「餃子だと出すまでに時間がかかる。シューマイなら蒸した状態で取り置き、すぐに出すことができる。忙しくせっかちな市場関係者には、このほうがあっているから」というのが理由のようです。そしてすぐに空腹を満たせるように、形が大きいのも特徴です。

そして再び波除通りに出て、新大橋通りの一本手前の通りの角「黒銀」へ。ここはかつて「おか戸」と呼ばれており、暖簾を書き換えて再スタートしたお店です。

コロナ禍以降、長く営業を中断(途中、部分的に営業あり)していましたが、ちょうどこの日から再開。しばらくは週末営業になるとのことでした。

海鮮丼やセットメニューもありますが、寿司一貫から頼めるところがこの店の良いところ。こういう食べ歩き時には重宝します。今回は、カマトロと赤身を一貫ずつ注文。計850円。

あちこち歩いたので、少し腰を落ち着けるべく「喫茶マコ」へ。

こちらもなかなか探しにくい場所にあり、店の前に立つとさらに入りにくい笑。昭和の時代へタイムスリップしたかのような雰囲気です。

それもそのはず、ここは60年近い歴史を誇る築地場外最古の喫茶店。90歳を超える名物ママの引退によって一時的に店は閉店したものの、築地・銀座の有志が経営を継承し、店舗内外観はそのまま再オープンしたのです。【参考記事はこちら】

看板商品は先代ママからレシピを引き継いだ「鳥雑煮」ですが、今回はすでに食べすぎなため諦めて、受け継がれたもう一つの名物スタミナジュースと、特製のレモンスカッシュをいただきます。スタミナジュースと言っても、飲みやすく優しい味わい。ミックスジュースをもう少しさっぱりさせたような、でも卵黄が入っていてコクがある飲み口です。

ふたたび表に出て波除通りへ。ここも築地場外を代表するお店「丸豊」に向かいます。場内があったころは3時から、今も5時から営業と場外一の早起きの店。市場関係者とともに歩んできた店ですが、今は近所の人や観光客にも大人気。

このお店のおにぎりの特徴は、大きくてボリュームたっぷりなこと。メニューの数が非常にバラエティに富んでいること。

一個でも十分おなかがいっぱいになってしまうため、今回は食欲を促しそうな!?カリカリ梅をセレクト、218円。

腹ごなしを兼ねて、あらためて場外市場を一回り。コロナ禍の前とは比較にならないものの、それでもこの日は4連休初日。最近のなかではもっとも人が出ていたでしょうか。

来訪客はほとんど日本の方。インバウンド観光をあてこんでいた店など、閉店や休業中のお店があちこちに目立ちます。もう一軒訪問を考えていた店も、残念ながら閉店していました。それでもコロナ禍のなかの新規出店もいくつかあります。閉店した店の跡地が今後どうなっていくのか、非常に気になります。

数えてみると、次で訪問はついに15店目!ということで、築地場外飲食店の代名詞的な存在である「長生庵」へ向かいます。オーナーは「築地はしご酒」の第一回から実行委員長をつとめ、絶えず築地の盛り上がりを考えている人。そんな人柄が反映されたこの店は、いつも人気で人が絶えない。今日も10名以上が順番を待っていました。

そこで、この待ち時間を使ってお土産を買いに場外を回ることに。その一店目は「長生庵」からもほど近い「江戸一」。大正3年(1914年)創業の築地を代表する老舗の一つです。

このお店の特徴は、自社製の多種多様な佃煮を小さなパックにして売っていること。1つでも378円(税込)とお手頃設定なのに、3つ組み合わせると1080円とさらにお得。少しずついろんな味を楽しめるので、ちょっとしたお土産としていつも重宝しています。さらに添加物類をほとんど使っていないことにも好感が持てます。ここではいつものように、3点をチョイス1080円。

同じ通りをもう少し歩くと左側に表れるのが、鰹節の「秋山商店」。店頭からいい匂いが立ち上ります。こちらも大正3年(1914年)創業で「江戸一」とほぼ同じ歴史を持ちます。

好きな鰹節を選んで、袋詰めしてもらう。市場の専門店ならではの体験ですね。混合節を300g+@購入して1039円。

さらにこの通りを、波除通りまで進んだ角にあるのが「伊藤海苔店」。昭和元年(1924年)創業で、もうすぐ100年。一番最初に訪れた「Matcha Stand Maruni TOKYO TSUKIJI」運営母体であり、4代目は築地はしご酒実行委員会の副委員長として活躍されています。

一番人気の「海苔屋の親父は有明ごのみ」を購入。1080円。

3店巡ったところで、そろそろ順番がきそうかなと「長生庵」へ。タイミングよく、少し待つだけで入店できました。

今回のツアー。はしご酒と謳ったわりには実はあまりお酒を飲んでおらず、、、看板倒れとなりかねないので、ここでは日本酒を多めに笑

まずは、4連休特別メニューと書かれた石見漁師酒のセットと、対照的に爽やかな美味しさを求めて「甲子林檎(きのえねりんご)」を注文。

ここでふと隣の席を見ると、テーブルいっぱいに「十四代」の一升瓶がずらり。そんな飲み比べセットあったっけ?と調べてもない。聞くと、お店にある「十四代」すべて出してくれと、独自に頼んだのだそう。7-8種類はあったかな。

こちらも真似をしようかと思ったものの、金額を計算すると。。。すぐに諦めて、お店が用意していた「田酒」の飲み比べセット1700円を頼むことに。こちらは4合瓶なので迫力では完敗ですが、そこは張り合わずに、美味しくお酒をいただきます。

他にも若干飲み物を追加しつつ、最後はそれぞれに辛味大根のおろしそばで締め。都合5700円。ここでふと時計を見ると、間もなく14時。先ほど回れなかった「吹田商店」が閉まってしまうと、大慌ての退出です。

すでに片付けも中盤の店内で、お店の看板商品である真昆布など2点を購入、2590円。

このお店は老舗ぞろいの築地のなかでもトップクラスの歴史を持ち、創業は明治25年(1892年)。それまで関西中心だった昆布の文化を、東京に根付かせた第一人者と言われる店です。良い昆布ばかりなので値段はけっこうしますが、本格的な昆布締めをつくりたい時などによく購入しています。

さてこれにて今日のツアーは終了!の予定だったはずが、すぐ隣にある「さのきや」に吸い寄せられ、一口だけ食べていこうと〆のデザート!?

買ったのは、鯛焼きならぬマグロを形どったまぐろ焼き(本マグロ) 220円。オープンしてから、もう10数年は経つでしょうか。メニューも当時と同じ。築地食べ歩きの定番の一つです。

そして最後に、お土産に買ったものを全部並べて撮影。築地帰りならではの充実ぶりに、この後の料理への空想が膨らみます。

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9時30分に、日比谷線の築地駅に集合しておよそ4時間半。この時間があれば、実際これだけのお店を味わえるという実録レポートです。2人以上いれば、そこまで胃の負担にはならないはずで、ルートをなぞるのは簡単なはずです(ただしこれ全部だと費用はそこそこかかります。今回の総額は25,568円)。初めて築地に来る方で、とことん欲張って築地を味わいたい方はぜひ。また何度も築地に来ている方でも、ひょっとしたら初めて知る店や楽しみ方も見つかるかもしれません。少しでも築地めぐりの参考になればうれしいです。

なお今回は、少しでもたくさんの店を楽しむために、「一軒でおなかがいっぱいになる」店は回れていません。おなかのキャパが無限であれば笑、もっと紹介した店はたくさんあるのですが、それはまた次回以降に取っておきます。そう考えると、飲みながら食べながらでたくさんの店を回って、その個性と味を楽しめる「築地はしご酒」の存在はとても貴重です。ぜひ来年はコロナ騒動も収まって、みんなで築地を楽しみたいですね。

(文 ダイヤモンド経営者倶楽部 北村 和郎)

 

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