全国、全世界へ「飲料の楽しさ」を届ける、静岡発「変わり種飲料」の仕掛人
「富士山サイダー」「しずおか茶コーラ」、変わり種ラムネの先駆けとして大ヒットした「カレーラムネ」をはじめ、ご当地性とユニークさを兼ね備えた人気商品を次々に開発。その話題性の高さから、メディアからの注目度は高い。
強みとなるのは、1日最大10万本の生産能力と、小ロット多品種に対応できる機動力を兼ね備えることだ。そのためOEM生産の依頼も多く、特に近年はグローバル展開が急伸中。世界30か国以上に輸出され、売上全体の約40%を占めている。
2026年6月に木村祥吾新社長が4代目を継承。創業の精神である「飲料に楽しさを!」の姿勢を大切に、ご当地サイダーの47都道府県制覇、世界各地の素材を活かした「世界のご当地ラムネ」の開発など、人に「自慢できる会社」であるための挑戦を続けている。
※「週刊ダイヤモンド」2026年8月29日・9月5日合併号掲載、会員企業クローズアップより転載
木村飲料株式会社 取材こぼれ話
(受け継がれてきた企業文化、事業の強みや独自性、豊富な実績、今後のビジョンなど)
「飲料に楽しさを!」。永遠のベンチャー精神が育んだ「変わり種」の系譜
・「とりあえずやってみる」が企業文化:1947年の創業以来、同社の屋台骨を支えてきたのは、「小ロット多品種生産体制」を生かした機動力の高い運用と、失敗を恐れないベンチャー精神だ。新しいテーマの開拓から、美味しさと個性のバランス調整、色・香りの再現、印象的なネーミングなどまで、長年培った豊富な知見や実績を生かして次々とユニークな価値、新たな可能性を具現化している。
・ヒット商品の裏にある技術力:2010年に発売し年間200万本以上を売り上げた「しずおかお茶コーラ」や、2011年発売以来の絶対的エース「富士山サイダー」など、地域資源を活かしたヒットを連発している。特に「カレーラムネ」に代表される変わり種飲料は、20年以上にわたる挑戦の歴史であり、単なる話題性だけでなく、徹底した品質管理と確かな技術に裏打ちされた「驚きの体験」を消費者に提供し続けている。

▲上の画像をクリックすると、豊富な商品ラインナップがご覧になれます
・多種多彩なご当地飲料&変わり種飲料を発売:商品バリエーションは非常に多彩で、例えば伊豆レモンサイダー、静岡マスクメロンサイダー、信州リンゴサイダー、ローズサイダー、静岡茶コーラ、岡崎味噌コーラ、メロンパンサイダー、カレーパンサイダー、鰻コーラなど、ご当地性あふれるものから、想像を超える変わり種まで、幅広い種類を開発・販売している。
・圧倒的な機動力と生産体制:1日最大10万本の生産能力を持ちながら、数千本単位の小ロットにも柔軟に対応できる体制を構築。この機動力が支持され、自社ブランドのみならず、大手小売りのPB開発や全国各地の「ご当地サイダー」の受託製造(OEM/ODM)においても、業界内で唯一無二のポジションを確立している。
10年の下積みを経て「世界のKIMURA」へ
・「ラムネの伝道師」としての執念:現会長の木村英文氏が2003年から着手した海外展開は、当初10年間は展示会での好反応が売上に結びつかない苦難の連続だった。しかし、2013年の「和食」ユネスコ無形文化遺産登録を機に潮目が変わり、日本の伝統文化としてのラムネが世界で爆発的に認知されるようになった。
・世界30か国以上への快進撃:現在は売上全体の約40%、ラムネ単体では生産量の90%以上が輸出に回るまでに急成長を遂げた。アメリカを筆頭に、欧州、アジア、オセアニアなど世界30か国以上に進出している。現地の嗜好に合わせたきめ細やかな開発力、現地ニーズや各国のレギュレーションに合わせた適応力が、海外での圧倒的シェア獲得の鍵となっている。
四代目・木村祥吾新社長が描く「人作り」の経営
・2026年6月から新体制へ継承:創業80周年を目前に、木村祥吾氏が四代目を受け継ぎ、代表取締役社長に就任した。新社長が掲げるミッションは、従業員が「木村飲料で働いていることを人に自慢したくなる」ような会社にすること。そのためにも「人作り」に重きを置き、現場が自発的に価値を生み出し、誇りを持って働くことができる組織変革を推進している。
・コーポレートブランディングの強化:商品名のみならず、「木村飲料の〇〇」という企業名の認知を強化するため、公式サイトや採用ページの刷新やデジタルマーケティングを加速させている。
・製造ノウハウを活かした事業領域の拡張:飲料製造で培った高度な生産技術や設備保全・メンテナンスのノウハウを基盤に、既存の枠組みにとらわれない新たな付加価値の創出や、M&Aを通じた菓子・コーヒー事業への進出など事業領域の拡大を目指し、未来を見据えた飲料の枠を超えたビジネスモデルの多角化を模索している。

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ご当地飲料の文化を全国へ、そして世界へ
・47都道府県制覇から世界へ:国内各地の観光施設や販売会社と連携し、47都道府県すべてにご当地サイダーを提供できる体制を整えることを当面の目標に置く(すでに各地での協業は進んでいる)。その先にはブラジルのガラナ、インドのカレー、メキシコのテキーラなど、世界の素材や現地文化を融合させた「世界のご当地ラムネ」を各地で開発し、未知なるワクワクを世界に届けていこうと目論んでいる。
・宇宙でラムネを開けたらどうなるか:炭酸飲料を飲むのは無理だと思われがちな「宇宙空間」でラムネを開けたらどうなるか、そういったエンタメ感あふれる実証実験を隠れたビジョンとして持つ。このように受け継がれてきた「楽しさの追求」と「未知なる領域への挑戦」は、これからもより意欲的に取り組んでいくテーマだ。
・世界平和を奏でる開栓音:毎年5月4日の「ラムネの日」に、世界中で同時にラムネを乾杯するイベントを構想。ラムネの「ポン!」という心地よい開栓音が世界中に響き渡ることで、笑顔と平和を実現したいという想いを、究極の社会的使命として掲げる。

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会社概要
木村飲料株式会社 代表取締役 木村 祥吾 氏
設 立:1953年5月(創業 1947年)
資本金:7,550万円
従業員数:63名
売 上:25億7900万円(2025年4月期)





